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災害の時に備えて(四日市市における糖尿病患者さんへの取り決め)

東北の地震から3年。

まだまだ復興に時間がかかるという報道がたくさんされていますね。

震災の爪痕が未だ残っているのを見るのはとても心が痛くなりますね。

この日のことを忘れないように、3月11日を津波防災の日にする話が出ているようですね。

(もう決まったのかな?)


東南海地震が起こってしまった場合に被害が大きな被害が予想される四日市市では、

いざという時のために糖尿病患者さんのためのルールを四日市の糖尿病専門医の先生を中心とし、

医師、薬剤師、看護師、栄養士など医療スタッフで取り決めをしました。



震災が起こった際、最低でも3日間は救援物資は届きにくく、自分たちの力で生き延びなければいけません。

そのためには、3日分の食料品(水、食料)はもちろんのこと、お薬の予備や低血糖時の補食(ブドウ糖など)の準備も重要です。


備蓄しておく場所も自宅だけではなく、職場や別の住居に住んでいるご家族(親戚)の家など分けて備蓄をしておく方が、もしご自宅が倒壊や津波の被害がもしあった時に救いの手になるかもしれません。


四日市市では災害時の糖尿病に関する薬物療法についてのルールは以下になりました。

①糖尿病に関する飲み薬は飲まなくて良い。

②インスリン薬は速効型は打たない。持効型は打つ。

 もし、持効型の残量が少なければ半分量でも打つ。(1型、2型共通)

③GLP1注射薬は残量があれば打っても良いが、少なければ打たなくてもよい。


災害時、薬をどこで手に入るのかということをこのルールを決める際のディスカッションででていたのは、いつもの調剤薬局に行っても手に入らない可能性があるかもという話題です。

調剤薬局の薬剤師さんがご自宅と薬局が離れている場合、道が遮断されたりして行けない場合も考えられるということです。


そこで、薬をとりにく場所は災害拠点といわれる病院でもらうということになります。

ただ、その拠点病院に日頃から通院されていない場合は薬の情報が当然のことながら、そこにはありません。


そういった時に役立つのが、お薬の情報です。

薬局で薬をもらう時に現在の処方内容が書かれた紙(シール)をもらうと思いますが、

そこに記載されている薬の情報を常に携帯されると災害時もスムーズにお薬をもらいやすくなると思われます。


お薬手帳を常に携帯するのが手間だな~という方は、必要な部分だけを切って財布にいれるというのもおススメです!



食事療法についてのルールは、

災害時は何を食べても良いとする。

配給では、菓子・菓子パン・おにぎり・麺・ジュースなど炭水化物の多いものばかりですが、

まずは生き延びることが大切なので配給されたものを食べてください。

(災害時は普段と同じ量を摂取できないため、エネルギーのとり過ぎで高血糖になりにくいと言われています。)

ただ、薬が十分に摂取できない状態で高炭水化物(高糖質)のものを摂取すると高血糖になりやすいため、配給されたものや備蓄食を1度で食べきるのではなく、分けて食べることで食後高血糖を防ぐことができます。


また、急いで避難する時は重くてかさ張る非常食(アルファ米、缶詰など)は自宅などに置いておき、安全が確認できたらとりに行くようにしてください。


避難する時は、軽くて持ち運びやすい補食「(低血糖用の)ブドウ糖やカロリーメイト、SOYJOY」などと、お水のペットボトルを(500ml)1本手にして逃げて頂くと良いかと思います。


カロリーメイトやSOYJOYなどは軽くてかさ張りにくいので、日頃から鞄などに入れて形態されるのをおススメします。

注意:SOYJOYは糖質が少ないので低血糖の補食には向きません



簡単ですが災害時の対策で決まったことを書かせて頂きました。

この1年間、災害についていろいろとディスカッションをして全職種で決めたことです。

これから啓蒙をしていくことになります。



こんな情報は永遠に使われないことを願うばかりですが、いざという時のために知っていて損にはならない情報です。

このブログを見ていただいたことをきっかけに、ご家族やご近所の方と緊急時はここに逃げる、薬はここに置いてある、備蓄はここにある・・・など災害時の対策について話して頂ければなと思います。